価格 | 2,200円(税込) |
監修 | 小泉 凡 |
判型 | B5変型並製 |
ページ数 | 176ページ |
ISBN | 978-4-86673-467-5 |
発売日 | 2025年9月4日 |
怪異に魅せられた
作家のまざなしをたどる
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、日本に古くから伝わる伝承を愛し、「再話文学」として数々の怪談に新たな命を吹き込んだ人物です。誰もが知る「雪女」や「ろくろ首」をはじめ、八雲がどのような妖怪・もののけ・幽霊に魅了され、作品を世に送り出してきたのか――。本書では、創作の源泉となった蔵書や直筆原稿、そして彼が生きた時代に息づいていたあやかしの世界をひも解き、豊富な図版とともに紹介します。
■第1章:八雲怪談に現れる妖怪たち
「耳なし芳一の話」「食人鬼」「むじな」「ろくろ首」
「雪女」「忠五郎の話」「夢を喰うもの」「閻魔の庁で」
「天狗の話」「化け蜘蛛」「猫を描いた少年」
「浦島太郎の伝説」「山姥」「河童の詫び証文」
「建長寺の地蔵菩薩」「月照寺の化け亀」「お城の稲荷」
■第2章:八雲が描いた妖怪画と狂歌
狐火/離魂病/轆轤首/札剝し/雪女/逆柱
船幽霊/平家蟹/海坊主/化地蔵/家鳴/古椿
■第3章:八雲の再話の原典となった和装本
『臥遊奇談』『怪物輿論』『夜窓鬼談』『玉すだれ』
『古今著聞集』『新選百物語』『鐺日奇観』『百物語評判』
『宇治拾遺物語抄』『十訓抄』
■第4章:江戸から明治の妖怪コレクション
妖怪図鑑の誕生から発展/鳥山石燕/北尾政美
葛飾北斎/歌川国芳/月岡芳年/河鍋暁斎
■第5章:山陰山陽もののけ図鑑
山陰山陽もののけ怪道/八岐大蛇/件/呼子
海坊主/牛鬼/猿猴/傘化け/赤頭
化け猫/雷龍/粋呑/黒眚/おさん狐
猫又/濡れ女/小豆とぎ/山本五郎左衛門
■コラムなど
はじめに〈日本の美意識と霊性を探求した小泉八雲〉
八雲の再話文学と傑作『怪談』の誕生
妖怪たちが棲まう八雲の怪談世界
小泉八雲とアニミズムの世界
妖怪で楽しむ狂歌『狂歌百物語』
セツが支えた怪談再話
庶民の間で大流行! 江戸の妖怪ブーム
八雲が愛した〝神々の国の首都″の風景
小泉八雲の面影をたどる
小泉八雲記念館/小泉八雲旧居
富山大学附属図書館「ヘルン文庫」
焼津小泉八雲記念館/小泉八雲熊本旧居
小泉八雲略年譜
小泉八雲の著書