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ラジオの歴史はクリスマスに行った実験で始まる

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1925年に日本で初めてのラジオ放送が行われてから、今年で92年。ラジオほど長期間にわたって互換性が維持されているメディアはない。MDしかり、レーザーディスクしかり、アナログTVしかり、その間、様々なメディアが生まれては消えていったが、その普及の過程で互換性を犠牲にして混乱を招いたケースも少なくない。

ラジオの歴史はクリスマスに行った実験で始まる

歴史的に世界で初めて電波の実験

例えば、MDは途中からMDLPという規格が生まれ、長時間記録ができるようになったが、既に普及していた多くのMDデッキではMDLPの再生ができなかった。しかし、ラジオに関しては、例えば創成期の鉱石ラジオがあれば、現在の放送を何の問題も無く聞けるのである。

ここでは、ラジオが進化してきた歴史を追いかけてみたいと思う。まず、歴史的に世界で初めて電波の実験に成功したのは、ドイツのヘルツ(「Hz」という単位はこのヘルツからきている)である。

1888年に、コンデンサーや誘導コイル、放電球などからなる送信機を使い、わずか数メートル先の火花リングで受信させることに成功。この時、電波はただの「ノイズ」でしか無かった。

そのノイズを通信に活用したのはイタリアのマルコーニだ。アンテナという概念を取り入れたことによって、1895年、2.4km離れた場所でのモールス信号受信に成功している。単なるノイズが、電波として通信手段になった瞬間である。

歴史的な世界初のラジオ放送は大成功

ちなみに、「モールス信号=無線」のイメージが強いので気になって前後関係を調べてみたのだが、モールス符号の原型は、アメリカのモールスが、マルコーニの実験よりも前の1837年頃に開発したものだった。当時は有線や発光による通信に使われており、1868年にUTI=万国電信連合で承認されている。

その電波に「変調」という概念を取り入れたのが、カナダ生まれのフェッセンデン。アメリカのエジソン研究所出身のフェッセンデンは、1900年、高周波火花送信機を使った音声信号の送信実験を行い、約1.6km離れた地点で受信に成功。さらに、1906年には、交流発電機で作った正弦波を変調させた交流発電式送信機の公開実験を行って成功させた。

さらに、最初の成功から数日後のクリスマスに行った実験は、もはや実験の域を超えた「放送」に近い内容で、フェッセンデン自身の弾き語りによる「さやかに星はきらめ(O Holy Night)」と聖書の朗読を送信。歴史的な世界初のラジオ放送は大成功に終わったのである。

記事カテゴリ: テクノロジー

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