ドール道のすすめ[第3回] 「そうだ、ドール見に行こう。」全国のドールショップ実店舗と各種品揃えでえらぶ

※本記事は「mitok[ミトク]」に掲載した記事の再掲載・転載版です。テキスト、画像いずれも2015年初出時のものとなっております。あらかじめご了承ください。

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入門者向けドール情報をお届けする連載第三回目。連載第二回目「そうだ、ドール増やそう。」ボークス、アゾン、PARABOXなどメーカー別本体からみるドール道のすすめ」では国内主要メーカーのドール本体を紹介しましたが、なんといってもドールはカスタムが醍醐味。同じドールでも服を着せ替えたり、アイやウィッグを交換すれば印象はがらりと変わります。

所有するドールとアイ・ウィッグなどの相性は実際に装着するまで分からないのが、ドール関連の買い物の難しさ。ウィッグ試着OKな店舗も多いので、最初は実店舗で手に取って選ぶのが一番です。ということで、今回はまず主なドール用品取扱い店舗とその販売アイテムの傾向を大掴みに紹介。「一体お迎えしたので服とか色々物色したいっす」という人のショッピングガイドになれば幸いです。

回を追うごとマニアックな内容になりますが、門外漢の方も暇潰しにどうぞ。店頭の展示モデルをぶらっと見に寄るだけでも、「ヤベエ世界スね」と色々びっくりできますよ。

※本記事の参考写真に使用したものは、全て筆者が所有するドール本体です。

ボークス天使のすみか(全国)

DD(ドルフィードリーム)特化のドールポイント秋葉原、SD(スーパードルフィー)特化の京都天使の里、原宿天使の窓含む全国13店舗を展開。衣装はサイズ問わずセットものが中心で、在庫は全体的に物足りない感あり。アイはSD向けHGグラスアイ、DD向けアニメティックアイズの2ラインで、アニメアイは虹彩のバリエーションが豊富。ウィッグもスタンダードなスタイルが基調で選びやすく、はじめてSDかDDを買った初心者なら最初に見るべきショップでしょう。

▲海外製「LUTS KID DELF」オプションヘッドにボークス製ウィッグ「W-8N ワッフル アイボリー」とお迎えドレス着用。縦ロールとかでないだけマシですが、ソバージュ的なウェーブヘアのウィッグも結構取扱いが難しく、かなり乱れてしまいました。

その他はヘッド素体やメイク・カスタム用品が充実しているが、新商品のリリースも品揃えの回転も遅め。国内他社と比較して価格設定もやや高めで、店頭を物色する楽しみは薄いが、ワンオフ・コーディネートモデル販売やアフターイベント(ドルパ限定品の店舗売り)など催しは多いので近隣にあれば便利です。

アゾンレーベルショップ(湘南、秋葉原、大阪、名古屋)

毎月の新作衣装はWebフライヤーでも確認でき、特に1/6サイズは大充実。シンプルで着せ替えやすいカジュアル系中心で、展示モデルを参考にじっくりコーディネートに悩めるのはここならでは。アイは無いが、ウィッグはDOLLCE、オビツなど他社製品を取扱っている。1/12~1/6サイズに合う撮影用ドールハウスや家具・小物を漁るのも楽しく、小さいドールを中心に遊ぶ人ならもちろん、冷やかし目的でも色々見れるショップです。

▲溜まったアゾン製1/6服。別に大きいサイズより安いわけではないので、気づくと大変な散財をしがち。あと写真のとおり、えっくすきゅーとの子たちもいつの間にか増えます。

PARABOX(中野、武蔵小杉)

衣装は他社と比較してホームメイド感が強いが、靴含め武蔵小杉本店の品揃えは相当なもの。アイはリアリスティックアイとアニメアイに大別され、特に後者は虹彩パターンは少ないがカラーは豊富で重宝する。原色バリバリの非耐熱ウィッグはさておきヅラもカラバリ十分で、スタイルも凝っておらず合わせやすい。購入価格から15%引きされるのも嬉しく、衝動的に色々買いたいときはココ一択です。

▲ディーラー様製のカスタムプチ姫ヘッド&アイ。ウィッグはPARABOX製で5インチサイズの「2テールMシャイニングブラウン」と「ストレートハニーブロンド」。素体はプチ姫ヘッド用に首ジョイントを削ったアゾンのピュアニーモボディで、服もアゾン製です。

DOLK(秋葉原、大阪、名古屋)

海外製キャストドールの輸入代理店。数多い海外メーカーのウィッグ、アイ、シューズ、衣装、アクセサリーと取扱品数は膨大で、通販ではサイズやカラーでの条件検索も利用できる。いずれも日本製にはない凝ったデザインが魅力で、店頭では特に自社オリジナル含むウィッグの品揃えが安定している印象があります。

▲ディーラー様製カスタム姫姉ヘッドに、LITTLE MONICA製ウィッグ「Melody (M) – Sweet Pink」。写真は補正しすぎて色合いヘンになってるので、参考にはしないでください。服はアゾン製で、アイはボークス製「アニメティックアイズ Mタイプ わかば色 22mm」 。

まんだらけ( 中野、秋葉原ほか全国11店舗)

オリジナルウィッグシリーズ「ひめかずら」を展開。DDほかアニメ系ヘッドに合わせやすいスタイルが充実し、2700円均一とコスパもそこそこ。プレ値で並ぶ各社の限定ドールはさておき、衣装などの中古販売物もあるので、掘り出し物を見つけたいときは漁る価値アリです。

▲同姫姉ヘッドに、確かひめかずらのロングストレートツーテール。うっかり一つ小さいサイズを買ったため後頭部が見せられないことになってます。

DOLLCE(秋葉原)

個人製カスタムヘッドや衣装の委託販売含め、小物類や衣装の在庫はその時々だが、オリジナルウィッグは4~10インチまでサイズもヘアスタイルも幅広い。場所が分かりづらいのと営業日が少ないのとで寄りづらいが、通販在庫は微妙なのでぜひ店頭で試着してじっくり選びたいところです。

▲姫姉ヘッドにDOLLCE製ウィッグ「MSD前下がりボブ/鈍色」。メガネはイベントで買ったディーラー製です。メガネはいいものですね。他にボークス製のものや、アゾンで売ってるオビツ製のメガネなどがあります。

ジーストア リトルワールド(秋葉原、仙台、名古屋、大阪、福岡)

アゾン製衣装を15%前後、同本体を5%オフで割引販売しているお店。近場のアゾンで売り切れていたものを探しに寄る人も多いはず。個人製衣装・小物の委託販売コーナーでも手頃なアイテムを見つけやすいですよ。

▲アゾンレーベルショップでは会員になるとほぼ全商品が10%ポイント還元。近くにアゾンがない人はリトルワールドで買っても同程度オトクです。左の子のウィッグは小さなウィッグのお店製「4.5インチ~5インチ ロリポップボブ クッキーバフ」。背景小物の配置のざっくり感とかには触れないでください。

その他にもドールショップは日本橋のリカちゃんキャッスルのちいさなおみせ、池袋のドーリーテリア、渋谷のLeLe Junie Moon、埼玉のSorairo、名古屋のゆめみ亭、福島のリカちゃんキャッスル、新潟のるちゃどぉる、福岡のEDEN、広島のLapis、仙台のお人形のくに、札幌の亜古人形店など、探してみれば意外と各地にちらほらあります。一部フィギュアショップでもアゾン製品の取扱いがあり、イエローサブマリンではミニチュア製品が充実、宇宙船ではノアドローム製衣装の取扱いがあるなど、色々調べてみるのも楽しいですよ。

小売店の取扱い商品はアゾンドールからブライスやプーリップ、輸入した海外製ドールまで各店様々。興味がある方はまずお近くの店頭で、ドール独特の存在感に触れてみてはいかがでしょうか。

以下、余談です。

余談:服は増えますか  髪は増えますか

筆者はずばり青春時代に親に買ってもらった服しか着たことがない典型的なクソオタで今もだいたい似たような状態なのですが、ドールは服装の知識ゼロでも既成品を適当に買い漁るだけでとりあえず可愛くなってくれて楽しめるので、「服自作とか到底できそうにないしなあ」という方も気軽にお迎えしてみてほしいと思います。ファッションドール系のリアルな着こなしは難しくても、「イメージと違ったかなあ」という服やデザインがカーチャンセンスの服を試しに合わせたりすると、それはそれでお人形然とした可愛さがあったりしますので。

とか言ってるうちに人間の服をまったく買わず人形の服ばかり買う人間が出来上がっていまして、最近クローゼットを整理して着ないものを捨てた際、ドールの服が自分の服の半分ぐらいの数に増えたことに気づきました。ダメな例だと思うので、これから始める人は自分の身なりにもちゃんと気を配りながらドールをやりましょう。何の忠告でしょうかねこれ……?

あと、20体以上もいるとドールを着せ替えているだけで一日が終わります。色々試したくてやたらと増えたウィッグも綺麗めにセットすると少々時間を取りますし、気が向いたときに撮影を始めるといつの間にか日付が変わってたりします。俺が時間の融通きくだけで、まともなお勤めの人はこれハマると大変な? と思うので、ドールを増やすのは日頃構ってあげられる範囲内にとどめるのが一番ですね。浮世離れしたポジションで常識的なことを言おうとしてもなかなかまとまらないなあという教訓を得たところで、今回は筆を擱きたいと思います。

連載書くの面倒くさいなーと後回しにしていたら1ヶ月空いてしまったため、連載途中で筆者宅のドールが22体から24体に増えてしまったのも致し方ないと思うのですが、ともあれ次回以降もあくまで初心者向けの基礎情報を中心にまとめていきたいです。なぜか長い連載になりそうなので、ドール趣味を始めるときに知っておきたかったことがだいたい全部わかる、ぐらいの連載になればいいなと考えております。