西洋美術 105人の巨匠

西洋美術 105人の巨匠

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価格1,980円(税込)
監修岡部昌幸
判型A5判
ページ数224ページ
ISBN978-4866733111
発売日2022/04/19

巨匠の代表作をたどるだけで西洋絵画史が一気にわかる!

西洋絵画の巨匠と呼ばれる105人の画家の代表作を「逸話」「エピソード」とともに紹介!

逸話で読み解く西洋美術の巨匠たち
本来「逸話」の「逸」とは「記録からもれてしまっている」ことを示し、補足の形で伝記の本文のあとに参考に添えるべきものでしたが、「逸品、逸材、秀逸」というように「逸」を「特別に優れた」という意味にとれば、その人物、芸術を象徴する話でもあります。 また逸話と同様の言葉であるエピソードの原義は「途中に追加して入ってくるもの」、すなわち挿話的な出来事を示し、古代ギリシア悲劇では2つの合唱の間の「対話の部分」、音楽では楽曲の重要な「挿入部」を示してもいます。そうした意味を持つ逸話を入口にした本書で優れた芸術家とその芸術に触れあうきっかけを掴んでいただければと思います。

本書「はじめに」より

本書に登場する巨匠たち

■駆け落ちして訴えられたロリータ婚| ランブール兄弟
■イタリアで国際ゴシックを広めた画家| ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ
■自分の信じる正義のために筆を折って逃亡| マティアス・グリューネヴァルト
■油彩画の技法を確立しながら、外交官としても働いたフランドルの天才| ヤン・ファン・エイク
■メディチ銀行の権力闘争に巻き込まれた代表作| ハンス・メムリンク
■師匠が本物のハエと勘違いしたほどの描写力をもつ、ユーモアあふれた先駆者| ジョット・ディ・ボンドーネ
■だらしなくともみんなから愛された天才画家| マザッチョ
■神の世界を描き続けた敬虔な画家修道士| フラ・アンジェリコ
■言い寄った女の家族に毒殺された? 修道女と駆け落ちした修道士の奔放な人生| フィリッポ・リッピ
■遠近法にとりつかれ探求を続けた奇想画家| パオロ・ウッチェロ
■レオナルド・ダ・ヴィンチの才能を見抜いたフィレンツェ第一のマイスター| アンドレア・デル・ヴェロッキオ
■宗教画の枠をこえて新境地を開いた巨匠| サンドロ・ボッティチェリ
■ 軍事技術者や音楽家としても活躍した万能の天才| レオナルド・ダ・ヴィンチ
■〝彫刻家〟を自負し続けた天才| ミケランジェロ・ブオナローティ
■叙情的な風景画の先駆者の謎めいた生涯| ジョルジョーネ
■ドイツにルネサンスを広めたイタリアの画家| ジョヴァンニ・ベッリーニ
■恋人に画中で復讐をした、ルネサンスの巨匠にも影響を与えた画家| ルカ・シニョレッリ
■ルネサンス最後の巨匠の吝嗇伝説| ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
■大胆な手法で注文も強引に奪い取る商魂たくましい天才画家| ヤコポ・ティントレット
■享楽的として異端審問に召喚された画家| パオロ・ヴェロネーゼ
■一流画家だけどトラブルメーカー| アンドレア・マンテーニャ
■恋と芸術に華やかに生きた巨匠| ラファエロ・サンツィオ
■絵が奇想すぎて自身も異端扱いされてしまう| ヒエロニムス・ボス
■じつは農民や農村が嫌いだった?| ピーテル・ブリューゲル
■背景だった風景を主役に昇格させた風景画のパイオニア| アルブレヒト・アルトドルファー
■ 大量生産や多角経営で大成功したルターの友人| ルーカス・クラナハ
■「ドイツ芸術の改革者になる」と自負した、ナルシストのインテリ画家| アルブレヒト・デューラー
■恩を仇で返し、最後は宮廷画家から転落した肖像画家| ハンス・ホルバイン
■孤独を愛し風変りな家まで作った天才画家| ヤコポ・ダ・ポントルモ
■錬金術にはまって転落した天使のような画家| パルミジャニーノ
■絵画も著述も驚異的な早さで仕上げた『美術家列伝』でも知られる美術史家| ジョルジョ・ヴァザーリ
■甘美な作品を残した画家の意外な素顔| ソドマ
■ラファエロから嫉妬された類まれな技術| セバスティアーノ・デル・ピオンボ
■外交用の贈り物ともなった宮廷画家の仕掛けた難解な寓意画| アーニョロ・ブロンズィーノ
■念願だった宮廷画家になり損ねた理由とは?| エル・グレコ
■宮廷のアートディレクターも務め、〝早すぎた天才〟とも呼ばれた奇想画家| ジュセッペ・アルチンボルド
■殺人犯となっても注文が絶えなかった明暗対比の名手| ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
■理想的風景画や天井画など模範を示した心優しき人情派| アンニーバレ・カラッチ
■男性画家以上に激しい絵画を描いた歴史上初の女流画家| アルテミジア・ジェンティレスキ
■画家として大成功をおさめ、歴史も動かした超人的なフランドルの巨匠| ピーテル・パウル・ルーベンス
■エレガントな肖像画で人気を博した優雅でイケメンな画家| アンソニー・ヴァン・ダイク
■集団肖像画に個性をもたらした、陽気で酒好きな画家| フランス・ハルス
■プロポーズで男気を見せた光の魔術師| ヨハネス・フェルメール
■巨匠が破産の末にサラリーマン生活へ| レンブラント・ファン・レイン
■黄金の光に満ちた理想風景を画中に描き出した画家の意外な前職| クロード・ロラン
■「夜の画家」の意外な素顔とは| ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
■フェリペ4世の宮廷画家は過労死した?| ディエゴ・ベラスケス
■愛らしい聖母とリアルな描写で人々の心をつかんだ巨匠の哀しい過去| バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
■優雅な「雅宴画」を打ち立てたロココ時代の先駆者| アントワーヌ・ヴァトー
■恋愛に興じヌードを描いて快楽に奉仕した画家| フランソワ・ブーシェ
■享楽的なロココの最後を軽やかに彩ったエロス画の達人の悲しい晩年| ジャン・オノレ・フラゴナール
■じつは風景画を描きたかった肖像画家| トマス・ゲインズバラ
■世界の王侯貴族から愛されたマリー・アントワネットの友人| エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン
■ルーヴル美術館の開館に尽力した廃墟の画家| ユベール・ロベール
■女侯爵との秘められた関係を絵画に託したスペイン最大の宮廷画家| フランシスコ・デ・ゴヤ
■フランス革命とナポレオンに情熱を捧げた新古典主義の担い手| ジャック=ルイ・ダヴィッド
■女性の曲線美を追求した新古典主義の巨匠| ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル
■新古典様式を託されるも、芸術の相克に悩んだ画家がとった行動とは?| アントワーヌ=ジャン・グロ
■ジャーナリズム的な作品で衝撃を与えたロマン主義のパイオニア| テオドール・ジェリコー
■親の七光りという噂も実力で払拭したロマン主義の大家| ウジェーヌ・ドラクロワ
■ドラマティックな自然を描いた秘密主義者| ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
■故郷の美しい田園風景を描き続けたイギリスのロマン派画家| ジョン・コンスタブル
■嵐のなかで自然の厳しさを描いた憂鬱の画家| カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ
■数々の幻視体験や予言的中など、狂人とも呼ばれたオカルト画家| ウィリアム・ブレイク
■ヴィーナスのヌード画が絶賛されたエリート画家| アレクサンドル・カバネル
■美少女画家とも呼ばれたアカデミスムの巨匠| ウィリアム・アドルフ・ブグロー
■印象派を徹底的に敵視したアカデミスムの大家| ジャン=レオン・ジェローム
■反骨精神で写実主義を打ち立てた画家| ギュスターヴ・クールベ
■男装をして馬市に出かけた女流動物画家| ローザ・ボヌール
■風刺画で投獄された写実主義の先駆者| オノレ・ドーミエ
■自身の贋作にサインをしてあげる? 風景画と同じように心優しき人| ジャン=バティスト・カミーユ・コロー
■農家の子ミレーが農民画を手掛けるようになったきっかけ| ジャン=フランソワ・ミレー
■妻の墓を暴いて取り出した詩を出版した恋多きロマンチスト| ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
■恩人の妻を寝取ってしまったイギリスの国民的画家| ジョン・エヴァレット・ミレイ
■印象派の父と呼ばれながらもサロンにこだわり続けた大家| エドゥアール・マネ
■愛人の連れ子の面倒も見た光の伝道師| クロード・モネ
■モデルのお尻を撫でまわしてその質感を描き出したエロスの巨匠| ピエール=オーギュスト・ルノワール
■印象派の画家たちを支え、飛躍のきっかけを残して夭折| フレデリック・バジール
■女嫌いなのに「踊り子の画家」と呼ばれた印象派のドン| エドガー・ドガ
■誰からも慕われた印象派のまとめ役| カミーユ・ピサロ
■マネの弟と結婚し、画家としても成功したマネの女弟子| ベルト・モリゾ
■南太平洋の楽園で画家は何に絶望したのか?| ポール・ゴーギャン
■思い込みの激しさが招いた悲劇| フィンセント・ファン・ゴッホ
■近代絵画の父が消火を止めさせたワケとは?| ポール・セザンヌ
■点描画法は他人にマネさせない!秘密主義者の執念| ジョルジュ・スーラ
■ファム・ファタルを描いた画家が愛した人たち| ギュスターヴ・モロー
■モノクロの世界から、鮮やかな色彩の世界へと転身した理由| オディロン・ルドン
■明るく清々しい風景を描いた画家の心のなかに潜む生い立ちの暗い影| ジョヴァンニ・セガンティーニ
■売れない画家を待ち受けていたシンデレラストーリー| アルフォンス・ミュシャ
■風俗画家として名を馳せた画家は、かつて日本の将軍の弟の絵の教師だった| ジェームズ・ティソ
■入浴姿の妻を30 年にわたって描き続けた画家| ピエール・ボナール
■官能的な作品で人気を呼んだエロティシズムの探究者| グスタフ・クリムト
■タブーを描くことを好んだエロス画家のヤバイ恋愛遍歴| エゴン・シーレ
■金がなくても楽しく絵が描ければいい!陽気なモンパルナスの貴公子| アメデオ・モディリアーニ
■いい人すぎて犯罪に巻き込まれてしまった素朴な〝日曜画家〟| アンリ・ルソー
■家族を失い、ストーカーに迫られ……心に潜む不安や恐れを強烈な感情表現で描く| エドヴァルド・ムンク
■仮面と骸骨に込められた画家の思いとは?| ジェームズ・アンソール
■作家の肖像画を描きながら、じつは小説のなかでモデルにされていた?| イワン・クラムスコイ
■戦争の実態を描き続けた従軍画家| ヴァシーリー・ヴェレシチャーギン
■強烈な性的表現や毒々しい隠喩で時代を駆け抜けたイラストレーター| オーブリー・ビアズリー
■奇行でも名を売った現代美術の先駆者| ジェームズ・マクニール・ホイッスラー
■何かわからないけれど輝いて見えた絵に出会った瞬間| ヴァシリー・カンディンスキー
■主夫と画業を両立させたイクメン画家| パウル・クレー
■夫唱婦随で世界を席巻した狂気と奇行の巨匠| サルヴァドール・ダリ
■恋愛遍歴を重ねながら、20世紀美術の先端を走り続けた巨人| パブロ・ピカソ

監修|岡部昌幸(おかべ・まさゆき)

1957年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学第一文学部美術史専攻、同大学院で学ぶ。現在、帝京大学文学部史学科、同大学院文学研究科日本史・文化財学専攻教授。群馬県立近代美術館特別館長。畠山記念館顧問・日本フェロノサ学会会長。西洋と日本の近世近代美術を専攻。リヴィジョニズムとグローバル・アート・ヒストリーの視点で、特に世紀転換期のアメリカ美術、アール・ヌーヴォー、アール・デコなど装飾美術、ジャポニスム、写真史などを研究。主著に『JAPAN ロバート・ブルーム画集』(芸術新聞社)、『レンブラントとフェルメール』(新人物往来社)、『すぐわかる画家別西洋絵画の見かた』『すぐわかる画家別水彩画の見かた』(東京美術)など多数。「ジャポニスムのテーブルウェア」展、「サラ・ベルナールの世界」展等100以上の展覧会の企画監修を行う。