価格 | 2,200円(税込) |
文 | 栗原景 |
編著 | 岡田直 |
判型 | A5判 |
ページ数 | 160ページ |
ISBN | 978-4-86673-465-1 |
発売日 | 2025/08/06 |
知るほど深い地形と歴史!
伊勢崎線(東武スカイツリーライン)をはじめ、日光線、野田線(東武アーバンパークライン)、東上線という、東武鉄道の主要路線を中心として、その成り立ちから現在までの歩みを貴重な地図資料や写真とともに紐解く、ちょっとディープな沿線探訪!
1都4県に跨がる全12路線を有し、関東私鉄一の規模を誇る東武鉄道の沿線の謎と不思議について深く知ることができる一冊です。
目次
■巻頭
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地形の凹凸がわかる! 東武沿線3D地図
車両と駅の写真で振り返る 東武鉄道130年の歴史
【Chapter1】
東武鉄道全線編
東武鉄道はなぜ現在の路線なのか?
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・両毛の機業地と東京を直結 東武鉄道と伊勢崎線の誕生
・日光線は計画の初期段階で佐野線経由のルートを検討
・野田の醤油輸送をルーツに独自の道を歩んだ野田線
・東上線誕生のきっかけは東京と上州を結ぶ構想から
・低地から山地へと向かう東武鉄道の各沿線の高低差
[鳥瞰図]東武鉄道沿線名所図絵
・7社15路線と直通運転して1都6県に広がる東武鉄道
[いまはなき往年の路線1]全通せず廃止された熊谷線
【Chapter2】
伊勢崎線・亀戸線・大師線・小泉線・佐野線・桐生線編
浅草から群馬へと至る東武の本流
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・押上にあった初代浅草駅 関東大震災で現在地へ【浅草駅】【とうきょうスカイツリー駅】
・随一の繁華街・浅草に屹立 百貨店併設のターミナル駅【浅草駅】
・東武鉄道開業前からの計画 亀戸線の幻の越中島延伸【亀戸駅】
・荒川改修で線路移転 鐘ヶ淵~西新井駅間 【東向島駅】【鐘ヶ淵駅】【堀切駅】【北千住駅】【西新井】
・北千住駅の駅名の由来とゼロキロポストがある理由【北千住駅】
・伊勢崎線と東上線を結ぶ「西板線」を断念した事情【西新井駅】【大師前駅】
・大事故発生まで手動だった竹ノ塚駅脇のふたつの踏切【竹ノ塚駅】
・高度経済成長期の人気住宅 「東洋一」の草加松原団地【獨協大学前駅】
・JRの高架をさらに跨ぐ「高層高架」の新越谷駅【新越谷駅】【越谷駅】【北越谷駅】
・桐箪笥の一大産地として江戸時代より栄えた春日部【春日部駅】
・伊勢崎線と日光線が分岐 交通拠点・東武動物公園駅【東武動物公園駅】
・東武鉄道と秩父鉄道を結ぶかつて存在した北武鉄道【羽生駅】
・伊勢崎線の当初の終点は伊勢崎でなく足利だった?【足利市駅】
・企業城下町・太田市では「スバル」が正式な町名に【太田駅】【三枚橋駅】【治良門橋駅】
・伊勢崎線の終点として名を高めた織都・伊勢崎【新伊勢崎駅】【伊勢崎駅】
・砂利の輸送を目的として利根川まで延びた小泉線【東小泉駅】【小泉町駅】【西小泉駅】
・石灰石を東京へ輸送した佐野線のはじまりと変遷【館林駅】【佐野市駅】【佐野駅】
・葛生駅の先へと延びた石灰石を運ぶ貨物専用線【葛生駅】
・川を越せない新桐生駅と赤城山にちなんだ赤城駅【新桐生駅】【相老駅】【赤城駅】
[いまはなき往年の路線2]東武の路面電車・伊香保軌道線
【Chapter3】
日光線・鬼怒川線・宇都宮線編
日光とともに発展を重ねた観光路線
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・久喜に押された幸手の町 日光線の開通で住宅地に【幸手駅】【栗橋駅】
・南栗橋車両管区で行われる東武鉄道全車両の保守点検 【南栗橋駅】
・柳生駅の近くに存在する全国でもまれな「三県境」【新古河駅】【柳生駅】【板倉東洋大前駅】
・栃木県の県庁所在地が栃木市でないのはなぜ?【栃木駅】【新栃木駅】
・山間部を進む構想だった鹿沼~日光間の計画経路【新鹿沼駅】【下今市駅】【東武日光駅】
・国際観光都市・日光に進出 昭和初期の東武鉄道の展開【東武日光駅】
・東武と国鉄の熾烈な争い 昭和初期からの「日光戦争」【東武日光駅】
・工業団地の通称から地名に「おもちゃのまち」の由来【おもちゃのまち駅】
・刑務所の跡地を譲り受けて宇都宮の市街地に駅を開業【東武宇都宮駅】
・銅と木材を輸送していた矢板線が廃止された理由【新高徳駅】【新藤原駅】
・鬼怒川温泉を発展させた根津嘉一郎社長の先見性【東武ワールドスクウェア駅】【鬼怒川温泉駅】【鬼怒川公園駅】
[いまはなき往年の路線3]大谷石輸送と東武鉄道の大谷線
【Chapter4】
野田線編
首都圏外縁を環状に結ぶ郊外都市間線
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・野田線より先に岩槻に敷設 蓮田と川口を結ぶ武州鉄道【岩槻駅】
・醤油の町・野田の発展は野田線の誕生により加速【愛宕駅】【野田市駅】
・利根川と江戸川をつなぐ往年の輸送路・利根運河【梅郷駅】【運河駅】【江戸川台駅】
・流山市発展の転機となった流山おおたかの森駅の開業【流山おおたかの森駅】
・2路線が統合して登場した柏駅のスイッチバック構造【柏駅】
・4つの路線が乗り入れる新たなハブ・新鎌ケ谷駅【新鎌ケ谷駅】【鎌ケ谷駅】
・街道沿いから鉄道駅周辺に 船橋の市街地の発展と変遷【船橋駅】
[イラストマップ]総武電車沿線案内
[いまはなき往年の路線4]わずか4年で廃止された海神線
【Chapter5】
東上線・越生線編
郊外住宅地の形成を促した通勤通学路線
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・構想時の東上線の起点は池袋でなく大塚だった?【池袋駅】【下板橋駅】
・板橋区きってのにぎわい 大山のアーケード商店街【大山駅】【中板橋駅】
・理想的な住環境を目指した郊外住宅・常盤台住宅地【ときわ台駅】
・志木駅が志木市でなく新座市に所在する理由【和光市駅】【朝霞駅】【志木駅】
・みずほ台駅を中心とする縄文遺跡群の密集エリア【みずほ台駅】【鶴瀬駅】
・ふじみ野市に所在しない富士見市のふじみ野駅【ふじみ野駅】【上福岡駅】
・川越市街の約1キロ圏に3つも駅が存在するわけ【川越駅】【川越市駅】
・貨物路線だった越生線とセメント工場の専用側線【坂戸駅】【西大家駅】
・戦争で線路を北に移設 東松山~武蔵嵐山駅間【東松山駅】【森林公園駅】【つきのわ駅】【武蔵嵐山駅】
・鉢形~玉淀駅間に架かる大正時代竣工の荒川橋梁【みなみ寄居駅】【鉢形駅】【玉淀駅】
・東上線系統の3つの終点 小川町・寄居・越生駅【小川町駅】【寄居駅】【越生駅】
[いまはなき往年の路線5]米軍の専用住宅を結んだ啓志線
■巻末付録
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・東武鉄道駅別要覧
編著者プロフィール|岡田直(おかだ・なおし)
地理・歴史研究家。1967年生まれ、滋賀県出身。東京大学文学部卒業、京都大学大学院修士課程修了。書籍編集者、横浜都市発展記念館学芸員を経て、現在に至る。学芸員として「昭和はじめの地図の旅」「横浜にチンチン電車が走った時代」「あこがれの団地」「横浜鉄道クロニクル」(鉄道史学会住田奨励賞)などの企画展を担当した。これまで、単著に『相鉄沿線の近現代史』(クロスカルチャー出版)、『横浜 鉄道と都市の150年』(有隣堂)、共著に『地図で楽しむ横浜の近代』(風媒社)、『鉄道「歴史・地理」なるほど探検ガイド』(PHP研究所)、解説に『吉田初三郎鳥瞰図集』(昭文社)、監修・編著に『京急沿線の不思議と謎』(実業之日本社)、「地図で読み解く」シリーズ(三才ブックス)など。
著者プロフィール|栗原景(くりはら・かげり)
旅と鉄道、韓国をおもなテーマとするジャーナリスト。1971年生まれ。出版社勤務を経て2001年からフリー。多くの雑誌や書籍、WEBに寄稿している。著書に『アニメと鉄道ビジネス』(交通新聞社)、『東海道新幹線沿線の不思議と謎』『国鉄時代の貨物列車を知ろう』(いずれも実業之日本社)、『地図で読み解くJR京浜東北・根岸線沿線』(三才ブックス)など。